早期退職制度 今やるべきこと
最近、早期退職のニュースが巷にあふれている。
大正薬品、アステラス製薬、ファイザー、NEC、東芝、CANONなどなど
製薬業界、電機業界、コンサル系に至るまで
50歳以上などなど、電機メーカーに至っては45歳以上が
全員が対象になっている。
いわゆるリストラである。
なぜだろう。こんなにも職場には人が少ないのに。
いまだに求人倍率は一部平行になれども下がる見通しはない。
(もちろん、業界によってかなり違うけど)
これには日本の旧来の人事制度と、ビジネスの変化が影響していると思われる。
日本の人事制度では、年齢が上がるほどに報酬も上がる年功序列制度がいまだ強い。
そのため、新卒で1社のみの経験であれば、ずっと頑張ればそこそこの地位や金額にはなるのである。
そうなると、40歳以上になると管理職などになってくる層はコストとして扱われる。
バブル期に大量入社した世代=45歳くらいはちょうどコストがかさむ世代になっている。
(バブル崩壊時に入社した面々もやや巻き添え食らっているのは可哀そうではある。)
若い世代にポストを与える必要もあるし、ちょうど首切りに適しているということだろう。
もう一つの理由は、ビジネスが変化していることだ。
MRは特にそうだが、新薬の開発に苦戦している製薬業界では、医薬品の情報提供者はそこまで重要にはなってきていない。
むしろ、医学知識を有して専門的にアドバイスのできるMSLや、どこの医薬品も取り扱えるMRが重宝されてきている。
1社経験のみのMRは、売るものもなく居場所がないのだ。
家電メーカーも人口減と外資メーカーの進出により日本国内でのシェアが下がり、白物家電だけでは生き残れず、グローバル展開できる営業が必要であるが、そのような経験を有する人材はそこまで多くない。
つまり、常に変化する環境やビジネスに適応できない職種が、企業としての経営判断の的にされたともいえる。
今後、この傾向は何年も続くだろう。
では、私たちはどうすべきだろうか。10年後、自分もリストラされるのが普通の世界になっているかもしれない。
答えはシンプルで、常にビジネスの最先端を知り、最新のスキルや100人に1人しかできないようなスキルを複数個身に着けることだ。
たとえば、人事ならリクルートだけでは弱い。けれど、今なら英語とリクルートであればかなり強い。
また、英語とリクルートだけでは5年後には通用しなくなる。けれど、リクルートとデータ分析専門家なら更に強い。
今、自分のいる会社にこだわってはいけない時代になってきた。
いつでも転職先があるような人材になっておくべきだ。
50代の管理職の皆様へ
年齢にこだわらず、とにかく新しいことに挑戦しましょう。
たまにはお茶を汲んだりコピーをとってみるのも経験です。
コピー機もお茶くみ機械も今は昔より進化しています。
街中の人々を観察するのもいいです。
海外の人がこれだけ増えている。そこにビジネスのチャンスがあるはずだ。
早期退職制度では退職金が一気に支払われますね。
大体、5年分くらいの年収が支払われます。
そのお金があるのだから、年収が下がってもいいじゃないですか。
新しい経験を積む場合、未経験者なのだから必ず年収は下がるのです。
よく見るのは、1,000万円以上もらっていた方が、500万円に下がることを渋るケース。
確かに、辛いだろう。今までの人生を否定されている気分になるだろう。
しかし、退職金で5年分はもらったじゃないか。
その分を投資や年金に回せばいい。
500万円で最低限のドライブコストを得られていると考えればいい。
これから新しいことに挑戦できるのだから、ワクワクしようじゃないか。
会社に残る決断をするのもいい。
全く違う部署に飛ばされるのも、新しい経験だ。
ただ、知っている人がいる分、ゼロから始めるのも辛いかもしれないので要注意です。
一番避けてもらいたいのは、辞めて、次にアルバイトを選ぶこと。
アルバイトを否定するわけではありませんが、そこから何が得られるだろうか。
キャリアを積んだり、伸ばすことをあきらめないでほしい。
人生100年時代、平均寿命と年金付与金額を考えると、通常の年金投資だけしていたら退職できるのは…
今50才なら70歳まで働かないと生きていけません。
あと20年のキャリアを考えましょう。
厳しい世の中になりますね。
しかし、世の中とは常にそういうものです。
100年前も今も、同じでしょう。
むしろ、今はこれだけの情報があって、恵まれているのかもしれない。