根暗な人事による就活/人事アドバイスブログ~Humania

10年に渡り、外資と内資とベンチャーの採用人事を経験してきた33歳。根っからの人事マン。主なテーマは人事・就活に関することや自然に関すること 根暗なんで、基本的に人見知りです。けど、我慢して人事やってます。

人事を小間使いにする企業様への書簡

前略

経営者様

エージェント費用を今すぐ抑えよう!

ということと、

事業の為に採用するスピードを今すぐ上げよう!

というのは我らの永遠の目標でございます。

おっしゃる通り。

たしかに両者を一気に実現する(した)こともできるのですが、多数のリクルーターの血汗や時間的犠牲が必要でございます。

私たちのチームは既に80時間の残業を超えており、
残業代でエージェント費用を賄えます。

しかし、残業代で貰いすぎだから賞与カットはやり過ぎかと存じます。

また、目標がクリアできましても、社内ITシステムや社内の政治問題で人がまた辞めていき、個人やチームではどうにもならないことが多すぎでございます。

せめてWindows7はもう辞めてください。
インターネットエクスプローラーではなく、Google Chromeにさせて下さい。

Google analyticsが重くてたまりません。

ついでに、メール室で偉そうなオッサンがふんぞりかえっているのもシャクです。

採用広報のためにAdobeやカメラが必要ですし、
スカウトの為には早いブラウザも資金も必要ですし、

現場の柔軟性や柔軟なシステムも必要なのでございます。

その為には多数の協力者が必要ですが、経営者様が味方しないのであれば、人事もサジを投げるレベルです。

加えて各社の社長間や他部署との確執があったり、経験則に基づいて従来の伝統を重んじる部署も多く、

いわゆる政治だけの会社になりつつあります。

皆が同じ方向を向かないですし、最悪の場合、無視放置や担当外しの依頼もあり得ます。

この前は、メールの返信が遅いという理由で部下が担当を外されかけました。

いえいえ、あなたがたがハンコで遅いおかげで我々の業務が停滞しているのです。

思えば5年前、ハンコ待ちの為に2時間待たされている部下を見つけて驚愕しました。

え?電子印鑑ちゃうの?

社内書類なので、別に電子でも大丈夫ですよ。
要はエビデンスが取れれば良いのですから。

あと、面接時間すら取れないのならもう今は採用せずに業務委託に出したらいかがでしょうか。

今なら優秀な方が沢山フリーランスにいらっしゃいます。

そしてゆくゆくはリクルーターすらもが減っていき、人は取れず、疲弊し、会社全体で悪循環が繰り返されていくのです。

そう、私の入社した5年前のように。。

そんな経営者様に案がございます。
アジャイルで採用一つ一つをプロジェクト化するという案です。

ある程度の権限と予算が必要ですが、アジャイル型ならスピードも質も担保できます。

要は、人事にプロジェクトリーダーくらいの権限を与えてあげないと、世界のスピードに取り残されます。

我々人事を駒と考えるのであれば、いつか叛乱が起きます。

くれぐれも、経営にはお気をつけて。

敬具

早期退職制度 今やるべきこと

最近、早期退職のニュースが巷にあふれている。

大正薬品、アステラス製薬ファイザーNEC東芝CANONなどなど

製薬業界、電機業界、コンサル系に至るまで

50歳以上などなど、電機メーカーに至っては45歳以上が

全員が対象になっている。

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リストラ…

いわゆるリストラである。

なぜだろう。こんなにも職場には人が少ないのに。

いまだに求人倍率は一部平行になれども下がる見通しはない。

(もちろん、業界によってかなり違うけど)

これには日本の旧来の人事制度と、ビジネスの変化が影響していると思われる。

 

日本の人事制度では、年齢が上がるほどに報酬も上がる年功序列制度がいまだ強い。

そのため、新卒で1社のみの経験であれば、ずっと頑張ればそこそこの地位や金額にはなるのである。

そうなると、40歳以上になると管理職などになってくる層はコストとして扱われる。

バブル期に大量入社した世代=45歳くらいはちょうどコストがかさむ世代になっている。

バブル崩壊時に入社した面々もやや巻き添え食らっているのは可哀そうではある。)

若い世代にポストを与える必要もあるし、ちょうど首切りに適しているということだろう。

 

もう一つの理由は、ビジネスが変化していることだ。

MRは特にそうだが、新薬の開発に苦戦している製薬業界では、医薬品の情報提供者はそこまで重要にはなってきていない。

むしろ、医学知識を有して専門的にアドバイスのできるMSLや、どこの医薬品も取り扱えるMRが重宝されてきている。

1社経験のみのMRは、売るものもなく居場所がないのだ。

家電メーカーも人口減と外資メーカーの進出により日本国内でのシェアが下がり、白物家電だけでは生き残れず、グローバル展開できる営業が必要であるが、そのような経験を有する人材はそこまで多くない。

つまり、常に変化する環境やビジネスに適応できない職種が、企業としての経営判断の的にされたともいえる。

 

今後、この傾向は何年も続くだろう。

では、私たちはどうすべきだろうか。10年後、自分もリストラされるのが普通の世界になっているかもしれない。

答えはシンプルで、常にビジネスの最先端を知り、最新のスキルや100人に1人しかできないようなスキルを複数個身に着けることだ。

たとえば、人事ならリクルートだけでは弱い。けれど、今なら英語とリクルートであればかなり強い。

また、英語とリクルートだけでは5年後には通用しなくなる。けれど、リクルートとデータ分析専門家なら更に強い。

 

今、自分のいる会社にこだわってはいけない時代になってきた。

いつでも転職先があるような人材になっておくべきだ。

 

50代の管理職の皆様へ

年齢にこだわらず、とにかく新しいことに挑戦しましょう。

たまにはお茶を汲んだりコピーをとってみるのも経験です。

コピー機もお茶くみ機械も今は昔より進化しています。

街中の人々を観察するのもいいです。

海外の人がこれだけ増えている。そこにビジネスのチャンスがあるはずだ。

 

早期退職制度では退職金が一気に支払われますね。

大体、5年分くらいの年収が支払われます。

そのお金があるのだから、年収が下がってもいいじゃないですか。

新しい経験を積む場合、未経験者なのだから必ず年収は下がるのです。

 

よく見るのは、1,000万円以上もらっていた方が、500万円に下がることを渋るケース。

確かに、辛いだろう。今までの人生を否定されている気分になるだろう。

しかし、退職金で5年分はもらったじゃないか。

その分を投資や年金に回せばいい。

500万円で最低限のドライブコストを得られていると考えればいい。

これから新しいことに挑戦できるのだから、ワクワクしようじゃないか。

 

会社に残る決断をするのもいい。

全く違う部署に飛ばされるのも、新しい経験だ。

ただ、知っている人がいる分、ゼロから始めるのも辛いかもしれないので要注意です。

 

一番避けてもらいたいのは、辞めて、次にアルバイトを選ぶこと。

アルバイトを否定するわけではありませんが、そこから何が得られるだろうか。

キャリアを積んだり、伸ばすことをあきらめないでほしい。

 

人生100年時代、平均寿命と年金付与金額を考えると、通常の年金投資だけしていたら退職できるのは…

今50才なら70歳まで働かないと生きていけません。

あと20年のキャリアを考えましょう。

 

厳しい世の中になりますね。

しかし、世の中とは常にそういうものです。

100年前も今も、同じでしょう。

むしろ、今はこれだけの情報があって、恵まれているのかもしれない。

 

ランニングの効果 プライベート話

週に一回、五キロから十キロ程度のランニングを始めてそろそろ一年になります。

きっかけは元々始めていたジム通いに加え、たまたま仲間に誘われた駅伝大会でした。

走る事は昔から得意だったのですが、そこそこ良いタイムをはじき出せたのが自信に繋がり
更に良いタイムを出そうと思い、始めました。

ランニング中は毎回辛いのですが、終わった時の達成感が好きで何度もやってしまいます。

それに、考え事をするのにも最適です。

健康になったか というと、たしかに健康になっています。
体内年齢は実年齢よりも5個下で、まだ20代ですし、風邪も少なくなりました。

健康にもなるし、ストレス発散にもなるし、考え事もまとまる素晴らしい趣味だと思います。

大会があれば目標にもなります。

お金も靴などのギアへの初期投資を除き、あまりかからず、コストパフォーマンスも良い。

あとは走る仲間が欲しいですね…

港区とかにランニングサークルなど無いものかなぁ…

コラム:ATS Applicant Tracking Systemの選び方

ATS とは、Applicant Tracking Systemの略称で、
採用管理システムと言います。

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ITイメージ

採用フローは以下の6段階に分けられます。

①求人提示
②候補者の応募、もしくはエージェント推薦
③候補者もしくはエージェントへ連絡
④選考開始
⑤条件通知、承諾
⑥入社
(⑦教育研修、タレントマネジメント)

大まかに分けると6段階です。

一つの求人に対し、①から⑥までの人数を割り出して、いわゆる目標管理(KPI)を作ることもできます。

ATSはこれらの流れを円滑に進める
人事の為のシステム
といえます。

2019年現在、ATSは雨後のタケノコの如く各社からリリースされています。
背景としては人材不足による人事の業務繁雑化と、AIなどを人事領域に活かしたHR-TECHへの投資が進んでいる為です。

では、ATSを選ぶ際に我々人事は何を重視すべきか。

新しいシステムを導入する際に必ずチェックすべき事は以下の点です。

1.セキュリティ
必須項目です。
特に情報流出は避けなければならず、クラウド型の場合は特に、ログイン方法やパスワードなどの設定はチェックしましょう

ドメイン指定によるアクセス規制が出来るか否かも情報保護には必須です

2.アクセス権限
人事が1人なら問題ない と思うかもしれませんが、選考フローは様々な人が関わります。
面接官 書類選考官 報酬条件設定者 などなど
昨今のATSは人事以外も触れられるものが増えています。

誰にどこまでの情報を与えるのか、よく考えましょう。

3.[「indeed」と「googleお仕事検索」への対応がされているか
これも重要です。
indeedは求人を自動的にネットから集めてくる優秀な検索エンジンです
ここに引っかからないと候補者は自然流入しません。
闇雲に求人をネットに載せても引っかからない仕組みなので、対応可否は必ずチェック

4.ユーザー目線に立ってみる
何を重視するかにもよりますが、自分が候補者になってみたつもりで外部からシステムにアクセスしてみましょう。
応募したいと思えるデザインか、チェックです。
応募したいページとは、
いろんなところに飛ばさない。
ビジュアル面で従業員の顔が見える
知りたい情報(つまりはお金や福利厚生)がわかりやすい

そういったページであることは言うまでもありません。

5.重視したい事をリスト化する
業務効率のアップなのか、教育研修やペイロールとの連携なのか、はたまた露出度アップなのか
それぞれのATSには強みと弱みがあります。
目的を必ず定めていき、本当に実現できるのか隅々までチェックしましょう。
ベンダー側の力量も見定められますよ。

昨今ではLinkedinやビズリーチなどのダイレクトソーシングにも繋がっているATSもありますし、
旧来ながらのSAPやオラクルなどの、入社手続きに連動するタイプもあります。
AI駆使などのものもあれば、自社開発もするかもしれませんね。

ベンダーのカウンターパートはIT出身者であったりして
人事でないことが多いので、じっくり話し合いましょう。
(たとえば、2年だけリクルートしていたような、自称人事は多いです。)

福利厚生をどこまで重視するのか

会社選びで重要な視点、福利厚生。

福利厚生と一つ言っても色々とあります。

例えば、年金制度、退職金制度、カフェテリアプラン、ヨガ体験まで。

でも、実際必要でしょうか。

退職金や年金制度は一生その企業に勤めるとベネフィットがあります。

けれど、今後一つの会社だけに勤めますか?

人生100年時代はかなり現実味を帯びています。
血圧はiPhoneで測れるし、ジム通いの人も大分増えました。

お酒やタバコの売上も下がっています。

より長く生きる中で、一つの会社で安住出来るか。

例えば、製薬業界。
安住できると評判でした。

けれども、いまや大リストラ時代です。
エーザイの早期退職
https://www.eisai.co.jp/news/2018/news201891.html

エーザイだけではありません。
大正製薬、アステラス、武田製薬、ノバルティス、ファイザーヤンセンファーマ、ベーリンガーインゲルハイム、グラクソスミスクライン

名だたる企業は全てリストラしています。

福利厚生は自分のスキルを伸ばせるモノに着目すべきと私は思います。

例えば、時短、副業、フレックス。

自分の時間を大事にできる福利厚生こそ今の時代には適している。

福利厚生で悩んだら長期的目線を持ちましょう

自己分析のやり方(新卒・転職)

自己分析の基礎知識

 

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自己分析とは見たくないものを見る行為

自己分析とは

就職活動を始めていくと、必ず自己分析という言葉に当たります。

この言葉はちょうど「就活」という言葉がはやり始めてから使われ始めています。

就活本なんて昔は少なかったので、会社説明会を電話で予約していた頃は

面接室への入り方くらいしか本はなかったと記憶しています。

話は逸れましたが、自己分析とは、比較的新しいツールということを

念頭においてください。

つまり、大層な本を買ってまでやらなくても大きな問題はないのです。

あと、アメリカで自己分析してから就活している人は少ないです。

彼らは既にインターンシップや学歴という実績を有していますから。

自己分析をやる意味

では、そのような自己分析はなぜやらなければならないのか。

ここまで流行っていることを見る限り、効果は高いようです。

また話しは逸れますが日本人の場合、ほとんどの企業では新卒は

ポテンシャル採用です。

大学で学んだことをフルで生かせる仕事に就ける人は少ないようです。

だからこそ、自分という性格を売らなければ買ってもらえない。

志望動機を練らなければならない。

そのために論理立てて、準備をするのであり、そのためのツールが

自己分析なのです。

とはいえ…

あぁ、本当にこんなシューカツはおかしい…

研究してきたことや学んだことを素直に伝えりゃいいn(ry

 

しかし、こんなことしか気にできない使えない人事もいるのも事実で、

私も企業の力には勝てず、そんな人事にしかなれなかったのです。

だから、郷に入っては郷に従うしかないのです。

自己分析のやり方

あなたの人生を振り返るだけです。

そのためのツールは無料でもいろいろなサイトにありますので、そちらを参考に

するといいですよ。

お金出して買うのがもったいない。

高校の時の部活、家庭ではどんなとこにいたのか、大学の学部を選んだ理由、サークルや部活で何をしていたか

自分を丸裸にします。

時には嫌なことも思い出すでしょう。

しかし、それも自分なのです。受け入れて短所として認めなきゃいけません。

人事は、そんな話が大好きです。

「ふむふむ、そうか。短所か!じゃあどうやって克服したの!?ねぇ!ねぇ!!」

と顔色変えて聞いてくるに違いない。

短所も長所もあなたの素晴らしい点なので、短所を克服する必要など

よほどのことがなければ必要ありません。

しかし、ここは大人になりましょう。

なぜなら仕事で成功するプロセスとは、

失敗したことを、忘れず、かつ恐れずに果敢にチャレンジし、

何度も工夫して変えていくプロセスだからです。

あなたの短所で起きた出来事は失敗と判断し、そのことに対して

どのように改善したのかを仕事に置き換えたいだけなのです。人事は。

それしか判断材料がないのだから。

たとえばどういうことか。

では、実際にHumaniaの人生で置き換えてみます。

私は末っ子として生まれ、県内では5番目くらいのまぁまぁな県立学校にすすみました。

末っ子でしたので、兄弟が怒られている姿を見ており、昔からそつなくこなしていました。県立を選んだのも親に認められたくて、安い学費の学校にしたかったからです。

この時、人の顔色をうかがう性格になりました。

そして、人の後ろから歩くことが好きな性格になっています。

言い換えれば補佐。悪く言えば自分の意見のないやつです。

(まぁこれはどちらにも使えます。とても便利な感じ)

大学は法学部に通いました。親が弁護士になってほしいという気持ちが強かったからです。

しかし、私は大学では剣道を習い始め、厳しい上下関係を知りました。

そして、後輩も育てていきました。

このころから自分の意識が芽生えていきました。

人を育てていきたい、成長を見たい。人って面白い。という気持ちです。

そして、私は両親の意向には反し、心理学を学び始めます。

そして、法曹の道を外れました。

こうして人事の道に入っていったのです。

 

こういう感じでストーリーを作るといいです。

人の人生、必ず今は昔の何かにつながっています。

何も無くて今はありません。それを探すのが自己分析です。

もし転職や就活で躓いたら、一度自分の歴史に没頭するといいですよ。

コラム:文章作成のコツ

採用の仕事をしていると、文章を書いたり、表現を工夫したりする機会が多い。

特に、採用ホームページに載せる文章や求人票など、文章力が必要な場面は枚挙に暇がありません。

表現も
1.ネガティブからポジティブへ、
2.複雑から簡潔へ
3.抽象的から具体的へ

例えば、
1.ネガティブからポジティブなら

忙しい仕事で残業がハンパない。

キャリア形成のための経験値を上げるには最適な職場

2.複雑から簡潔なら

AWSを用いたネットワーク構築に関するプロジェクトマネジメント

プロジェクトマネジャー職
クラウドストレージのAWS(アマゾンウェブサービス)を用いた、社内ネットワークシステム構築プロジェクトのマネジメント

3.抽象的から具体的なら

ガッツのある方

長期海外出張があります

などなど…

より、google検索にヒットするようSEO対策も気にしています。

加えて、求人票とは平たく言うと、仕事内容の文章化なので、ヒアリングが必須でもあります。

人事は人事の仕事しかわからないので、部門へヒアリングしにいくのです。

大量の仕事内容という素材を集め、固めて文章化していくわけです。

上記の三つのコツを用いてわかりやすく、ネットで引っかかりやすい文章に固めていきます。

しかし、単純にルールに則り文章を作ればいいわけではなく、ターゲットに即した文章にしなければなりません。

ターゲットがアルバイトなら、
より時給などの記載を目立つようにしないといけません。

ターゲットが学生なら、より夢を持たせなければなりません。

ターゲットが中途社員なら、よりわかりやすくしなければなりません。

そんなわけで、ヒアリングインタビューも多くやりますので
広報やマーケティング部門とも協力して一緒に仕事する機会も多いんですよ。

日々、面接と作文とセミナーで眼と喉が痛くなります。
とてもハードな仕事です。